2024.11.05
不燃ボードの作り方は?メリットや防火性能についても詳しく解説!
そもそも「不燃ボード」って何?
不燃ボードとは、内装における壁や天井などに使われる建材のうち、火災に強い「不燃性」の建材のことを指します。本記事では天然木材を用いた「不燃性の高い木材」のことを不燃ボードとしてご紹介します。
また不燃性の木材の中でも「不燃ボード」と「不燃注入木材」が存在し、どちらも防火性能の高い木材建材となっていますが、製作方法やその特徴などが少し異なります。
不燃ボードの作り方は?
不燃ボードは、ベースとなる薄い木材(突板)同士の間に、ダイライトやタイカライト、ケイカル板といった「不燃性の基材」を練り合わせることで不燃ボードが完成します。
弊社のナチュラルボードはダイライトを基材としております。
不燃ボードのメリットは?
- 表面の天然木突板は、見た目や質感(触り心地)は無垢材に近く、ナチュラルな仕上がりになる。
- 突板の厚みは0.2mmと薄いため、無垢材よりも湿度変化による変形リスクが少ない。(反り・木割れ・伸縮・ねじれなどが起こりにくい)
- 1本の原木から取れる突板は、無垢材と比べるとかなり多くなるためコスト削減や自然保護にもつながる。
- 無垢材よりも樹種が豊富で、同じ木目や色合いの材料を大量生産できる。 (性質上無垢材には向かない樹種でも突板・挽板に加工できる)
- 突板や挽板の貼り合わせ方により、無垢材では表現できないものを作ることができる。(ヘリンボーン貼りなど)
- 製作納期は3週間程度で短納期となる。
不燃ボードのデメリット・注意点は?
- 無垢材よりも触り心地が硬めである。
- 無塗装の天然木突板は特殊加工化粧板よりもキズや汚れがつきやすく、耐水性・耐熱性・耐候性・耐摩耗性は低い。
- 天然木突板に深い傷がつくと、基材である下地材(不燃性の基材)が見えて目立つ。
- 特殊加工化粧板は印刷技術で木目以外も再現できるが、天然木突板は木目のみとなる。
液垂れや白華現象が起きない
不燃液を木材に染み込ませて作る不燃注入木材では、温度や湿度の変化によって「液垂れ現象」や「白華現象」といった、不燃液が木材表面に浮き出てしまう現象が起こってしまいます。
これらが起こることによって、防火性能が低下するわけではありませんが、リン酸系の不燃液を使用している場合には木材表面に水滴が、ホウ酸系の不燃液の場合には木材表面に白く濁ったような粉が噴いてしまいます。
これらは木材表面の湿度を取り除くなど、定期的にメンテナンスを行うことで予防することが可能ですが、内装の壁や天井などに不燃木材を使用している場合、美観を保つために都度メンテナンスを行うのはかなり手間になります。
一方で不燃ボードは、このような「不燃液」を全く使用しないため、液垂れや白華といった現象が起こる心配は一切ありません。
そのため、オフィスビルや大型ショッピングモールなど、簡単にメンテナンスができない箇所であっても「長く美観を保てる木材」として、近年注目を集めているのです。
建物の雰囲気にあわせて、さまざまなデザインが選べる
内装に木材を使用するにあたって、最も重要視すべき点といえば「内装にあったデザインの樹種があるか」ではないでしょうか? さらには「不燃系の素材」といったことを踏まえるとなると、さらに樹種やそのデザインが限られてしまうとお考えの方も多くいらっしゃるかと思います。
しかし不燃ボードというのは、一般的な木材に不燃系基材を練り合わせる方法で作られているため、樹種を問わず、さまざまな木材で不燃ボードを作り出すことが可能なのです。そのため、高級感のあるオフィスビルやカーディーラーでは「チーク」を用いた不燃ボード、和風なテイストを醸し出したいときには「ヒノキ」の不燃ボードなど、建物のテイストにあわせてデザインを選べるもの不燃ボードのメリットとなっています。
不燃ボードを用いた施工事例について詳しく知りたい方は、ぜひ下記記事もあわせてご覧ください!
関連記事:『不燃ボードを用いた施工事例をご紹介!ナチュラルボードを使用したおすすめデザインは?』
製作が容易なため、迅速な納品が可能
一般的な不燃木材は、素材となる木材に不燃液を注入した後に、加圧して乾燥させるなど、製作までにさまざまな工程が重なり、完成までの期間も長くなってしまいがちです。
一方で不燃ボードというのは、ベースとなる木材に不燃基材を練り合わせるだけで完成となるため、製品としての納品も迅速に行えるのです。そのため、内装施工において特に初期準備が重要となる、内装の壁や天井の素材をいち早く調達できるといった観点からも、不燃ボードは非常に人気が高いのです。
不燃ボードの「防火性能」は大丈夫?
ここまで不燃ボードに関するメリットについてご紹介しましたが、不燃木材のように不燃性の薬品が染み込んでいる訳ではないことからも、不燃ボードに関する「防火性能」について心配される方も多いのではないでしょうか?
結論から申し上げますと、不燃ボードは不燃性能を表す等級において、最も等級の高い「不燃」等級を獲得するほど、非常に優れた耐熱性を有する建材ですので、防火性能に対する心配は必要ないといえるでしょう。
※等級は「不燃」「準不燃」「難燃」と続きます。
これは不燃ボードに使用している木材自体が約0.2mm 程度と非常に薄くなっているため、万が一火が燃え移ってしまったとしても、次の材質へと熱が伝わりにくく、火災が広範囲に伝搬しにくい仕組みとなっているのです。
関連記事『不燃ボード(不燃木材)とは?特徴から選ぶ際のポイントまで徹底解説!』
防火性能を兼ね備えた、オシャレな内装用木材を
近年では防火性能を担保しつつ、その上でいかにお部屋をオシャレな空間に彩るかといったことが重要視されるようになってきました。
特にこれらの「不燃性木材」の登場によって、これまで木材の使用が難しかった飲食店や大型ショッピングモール、オフィスビルなどでも、木の温かさを活かしたデザインを取り入れるケースも多くなってきましたね。
当社では、内装用不燃ボードの専門店として、これまで数多くの商業施設やオフィスビルのデザインをご提案してまいりました。
「内装に木材を使用したい」とお考えの方は、ぜひ一度当社にご相談ください!
当社の「内装用不燃ボード」に関する施工事例については、下記ページもあわせてご覧ください!